369Theme 2026-08

美容室・サロンのホームページをWordPressで作る方法|おすすめブロックテーマと選び方

文:mirokü / WordPress Core Contributor(6.7〜7.1 の5リリースに貢献)。WordPress.org でテーマ6本・プラグイン3本を公開しています。

美容室やサロンのホームページを自分たちで作ろうと考えたとき、最初に決めるべきは「そのページに何をさせるか」です。多くの解説記事は「予約につなげる導線が大事」と書きますが、公的な調査を見ると、サロンのホームページから予約する人は多くありません。この記事では、まずその数字を確認したうえで、ではホームページに何を載せるべきかを、作る手順まで含めて整理します。

最初に、予約の実態を数字で見ておく

リクルートのホットペッパービューティーアカデミーが公表している美容センサスに、美容室利用者がどうやってネット予約しているかのデータがあります。2026年上期《美容室編》の数字です。

ネット予約の方法割合
サロン検索・予約サイト42.6%
サロンのホームページ7.0%
LINE7.0%
サロンの独自アプリ3.6%
Instagram1.1%
メール0.8%
その他SNS0.6%

お店を知るきっかけも見ておきます。

サロンの認知経路割合
予約・口コミサイト32.4%
友人・知人の口コミ22.3%
SNS3.4%
まとめサイト2.9%
フリーペーパー・チラシ2.8%
キーワード検索・地図検索2.6%
テレビ・ラジオ・新聞・雑誌1.2%

認知も予約も、予約・口コミサイトが握っています。「サロンのホームページ」は認知経路の上位に入っていません。ホームページを作れば新規のお客さんが来る、という期待は、この数字とは合いません。

出典はいずれも美容センサス2026年上期《美容室編》。調査期間は2026年1月21日〜2月12日、全国の人口20万人以上の都市に住む15〜69歳が対象で、ここに挙げたのは女性・サロン利用者の数字(複数回答)です。

では、ホームページは何のためにあるのか

同じ調査に「初回来店時の重視点」という項目があります。はじめてのお店を選ぶとき、何を見て決めているかです。

重視すること割合ホームページで答えられるか
自宅から近い33.3%地図・アクセス
料金がリーズナブル27.0%料金表
料金が明確25.3%料金表
ネットの口コミが良い20.5%答えられない
ネット予約できる18.7%予約への導線
友人・知人の口コミが良い15.6%答えられない
交通の便が良い13.8%アクセス
初回割引・クーポンがある11.3%お知らせ
ネット掲載の写真が良い11.1%ギャラリー
外観・雰囲気・インテリアが良い9.2%店内写真
当日・直前の予約が可能7.8%営業情報
自分に合いそうなスタッフを見つけられる7.2%スタッフ紹介
受けてみたいメニューがある6.2%メニュー
衛生対策がしっかりしている6.1%店舗情報

口コミの2項目(20.5%・15.6%)は、自分のサイトではどうにもなりません。しかし「料金が明確」25.3%、「写真が良い」11.1%、「外観・雰囲気」9.2%、「スタッフが分かる」7.2% は、すべて自分のホームページで答えられます。

ここから、美容室のホームページの役割がはっきりします。

予約サイトや口コミで見つけた人が、「このお店で大丈夫か」を確かめに来る場所です。新規を集める入口ではなく、来ようか迷っている人の背中を押す場所。そう考えると、載せるべきものも決まります。

以下、重視される順に作り方を見ていきます。その前に、どんなページを用意するかを決めておきます。

どんなページを用意するか

ブロックテーマで作る場合、用意するページは大きく3種類です。

種類中身更新の頻度
トップページメニュー・料金、写真、スタッフ、アクセス、予約導線をひと続きに並べる年に数回
固定ページメニューが多いときの料金一覧、サロンの考え方、初めての方へ、など年に数回
お知らせ・ブログ休業日、キャンペーン、新メニュー、スタッフの入退社月に1〜2回

小規模なサロンなら、トップページ1枚でほぼ足ります。メニューもスタッフもアクセスも縦に並べてしまい、上部のメニューから各セクションへジャンプさせる作りです。ページを分けるほど、更新する場所が増えて手が回らなくなります。

固定ページに分けるのは、トップに置くと長くなりすぎるときです。メニューが50種類あるサロンなら、料金は別ページにしたほうが読みやすくなります。

お知らせだけは、最初から用意しておくことをおすすめします。年末年始の休業やキャンペーンを載せる場所がないと、結局SNSに書いて終わりになります。そしてもうひとつ、更新日が見えることには別の意味があります。最終更新が3年前のサイトは、読む人に「この店はまだやっているのか」と思わせます。月に1〜2回でも動いていれば、それだけで印象が変わります。

料金表をつくる(重視点25.3%)

もっとも重視される項目のひとつです。ここが曖昧だと、それだけで候補から外れます。

WordPressのブロックエディターなら、テーブルブロックで作るのが確実です。編集画面で「+」→「テーブル」を選び、列数2、行数はメニューの数だけ用意します。左の列にメニュー名、右の列に金額を入れます。

作るときのポイントは3つです。

  • 税込か税別かを明記する。「カット 4,400円(税込)」のように書く。ここが書かれていないと、明確な料金表になりません
  • 「〜」を使いすぎない。「カラー 8,000円〜」だけでは判断できません。長さ別・種類別に分けて書けるなら分ける
  • 追加料金を先に書く。シャンプー代、指名料、ロング料金など、あとから足されるものを料金表の下に並べておく

メニューが多くて表が長くなる場合は、「カット」「カラー」「パーマ」のように見出し(H3)で区切り、表を分けます。1つの長大な表より読みやすくなります。

写真を用意する(重視点11.1%+9.2%)

「ネット掲載の写真が良い」11.1%と「外観・雰囲気・インテリアが良い」9.2%は、合わせて見るべき項目です。施術の仕上がりと、店内の様子。この2種類が要ります。

用意するものの目安です。

  • 店内写真:入口・待合・セット面。明るい時間帯に、照明を全部つけて撮る
  • 施術写真:仕上がりのスタイル。正面・横・後ろがあると伝わりやすい
  • スタッフ写真:後述のスタッフ紹介で使う

スマートフォンでも十分です。ただしそのまま載せると重くなります。最近のスマホ写真は1枚5MBを超えることがあり、そのまま並べるとページが開くまでに数秒かかります。

対策は2つです。

  • アップロード前に長辺1600px程度へ縮小する。ホームページの表示にはこれで足ります
  • WebPで書き出す。同じ見た目でファイルサイズが小さくなります。WordPressはWebPに対応しています

ブロックエディターでは、複数枚をまとめて見せるならギャラリーブロックを使います。「+」→「ギャラリー」で画像を選ぶだけで、スマホでは自動的に縦並びになります。

スタッフ紹介をつくる(重視点7.2%)

「自分に合いそうなスタッフを見つけられる」が7.2%。数字としては小さく見えますが、指名につながる項目なので、単価に効きます。

載せる内容は、名前と写真だけでは足りません。読む人が「合いそう」と判断できる材料が要ります。

  • 得意な施術(ショートカット、白髪染め、縮毛矯正など)
  • 経験年数
  • ひとこと(どんな雰囲気の人か伝わる文章)

レイアウトはカラムブロックが便利です。「+」→「カラム」で人数分の列を作り、各列に画像と文章を入れます。スマホでは自動で縦に積まれます。

アクセスと営業時間(重視点33.3%・13.8%)

「自宅から近い」33.3%は全項目で最多です。ただしこれはホームページだけでは解決しません。近くのサロンを探す人は地図アプリや検索を使うので、まずGoogleビジネスプロフィールの登録が先です。住所・営業時間・電話番号・写真を埋めておきます。

ホームページ側では、次を明記します。

  • 住所(建物名・階数まで)
  • 最寄り駅からの徒歩分数と、簡単な道順
  • 駐車場の有無
  • 営業時間と定休日

地図はGoogleマップの「共有」→「地図を埋め込む」で出るコードを、カスタムHTMLブロックに貼ります。

予約の受け皿をつくる

冒頭の数字のとおり、ホームページからの予約は7.0%です。ここを主役にする必要はありませんが、受け皿は用意しておきます。「ネット予約できる」を重視する人が18.7%いるので、予約サイトに送るだけでも意味があります。

電話をタップで発信できるようにする

意外と抜けているのがこれです。電話番号を文字で置いただけでは、スマートフォンでタップしても何も起きません。リンクにする必要があります。

ボタンブロックまたはリンクの設定で、URL欄にこう入れます。

入力する値結果
tel:0312345678タップで電話をかけられる
03-1234-5678(文字のまま)タップしても反応しない

ハイフンは入れても動きますが、市外局番から続けて書くのが確実です。

予約サイトやLINEへのボタンを置く

すでにホットペッパービューティーなどに掲載しているなら、その予約ページへのボタンを置くのがいちばん現実的です。予約の42.6%がそこを通っている以上、自前のフォームを作るより確実に機能します。

LINE公式アカウントを使っている場合は、その友だち追加URLをボタンにします。LINE経由の予約は7.0%で、サロンのホームページと同率です。

ボタンブロックで作り、URL欄に予約ページのアドレスを入れるだけです。ラベルは「ホットペッパーで予約する」のように、押した先に何があるか分かる言葉にします。

問い合わせフォームが必要な場合

予約ではなく相談を受けたい場合は、フォームを置きます。WordPressのテーマにフォーム機能は含まれていないので、プラグインを入れます。Contact Form 7が定番です。

ただしフォームからの予約は、確認の往復が発生して手間が増えます。予約は予約サイトか電話、フォームは相談用、と役割を分けたほうが運用が楽になります。

WordPressで作るメリット

サロン専用のホームページ作成サービスもありますが、WordPressで作る場合は次の利点があります。

  • デザイン・構成の自由度が高い
  • スタッフ自身でお知らせやブログを更新できる
  • 月額利用料がかからず、テーマ代のみで運用できる
  • 自社ドメインで記事を書き足していけるため、検索流入も育てやすい

逆に、更新を誰もやらないと決まっているなら、専用サービスのほうが向いています。自分たちで手を入れる前提があるかどうかが分かれ目です。

テーマによって、どこまで用意されているか

ここまでの項目を一から組み立てるのは手間がかかります。サロン向けのブロックテーマを使うと、必要なセクションが最初から入っています。369Themeでは無料と有料の2本を公開しています。

項目Enyoi(無料)Blanky Beauty(有料)
メニュー・料金ありあり
スタッフ紹介ありあり
アクセスありあり
ギャラリー—あり
お客様の声—あり
よくある質問—あり
電話のタップ発信文字のみ(自分で tel: にする)設定済み
予約ボタン1つ3つ(差し替え・追加できる)

予約ボタンはどちらもコアのボタンブロックで作られているので、ラベルとリンク先を変えれば、そのまま予約サイトへのボタンにできます。Blanky Beautyは3つ並んだ状態で入っているので、「ホットペッパーで予約」「LINEで予約」「電話する」のように用途を分けて使えます。

まずは無料のEnyoiで試すのが確実です。ブロックテーマの操作感はクラシックテーマとかなり違うので、文章で読むより一度触ったほうが早く判断できます。管理画面の「外観 → テーマ → 新規追加」で「Enyoi」と検索すれば、そのままインストールできます。

公開までの流れ

  • サーバーとドメインを用意する
  • WordPressをインストールする
  • テーマを有効化する
  • 料金表・写真・スタッフ紹介・アクセスを入れる
  • 電話番号を tel: リンクにする
  • 予約サイトへのボタンを設定する
  • スマートフォンで表示を確認して公開
  • Googleビジネスプロフィールにホームページのアドレスを登録する

最後の項目を忘れないでください。「自宅から近い」で探す33.3%の人に見つけてもらう経路がここです。

よくある失敗

公開後に気づきにくい、けれど確実に損をしているものを挙げます。

よくある状態何が起きるか
電話番号が文字のままスマホでタップしても発信できない。気づかれないまま離脱する
予約ボタンの飛び先が未設定テーマのパターンは初期状態でリンク先が空。押しても何も起きないボタンが残る
料金が「〜」ばかり「料金が明確」を重視する25.3%に対して、判断材料を出せていない
写真をスマホから直接アップ1枚5MB超のまま並び、開くのに数秒かかる
パソコンでしか確認していない見る人の多くはスマートフォン。文字が小さい、ボタンが押しにくい、といったズレに気づけない
最終更新が何年も前営業しているかどうかを疑われる

2つ目は特に見落としがちです。テーマに入っている予約ボタンは、リンク先が空の状態で配置されています。これは意図的で、どこに送るかはお店ごとに違うためです。公開前に、ボタンを1つずつ押して確かめてください。

確認は、実際のスマートフォンで行うのが確実です。パソコンのブラウザで幅を狭めても、タップの押しやすさや tel: リンクの動作までは分かりません。

まとめ

  • サロンのホームページからの予約は7.0%。予約サイトが42.6%で、認知も32.4%がそこ経由
  • だからホームページの役割は集客ではなく、見つけた人が確かめに来る場所
  • 載せるべきは、初回来店で重視される料金(25.3%)・写真(11.1%)・雰囲気(9.2%)・スタッフ(7.2%)
  • 予約は受け皿として用意する。電話は tel: リンクに、ボタンは予約サイトへ送るのが現実的
  • 「自宅から近い」33.3%に応えるのはGoogleビジネスプロフィール。ホームページとセットで登録する

テーマ選びで迷う場合は、そのWordPressテーマ、本当にブロックテーマ?もあわせてご覧ください。国産テーマがブロックテーマかどうかを、公式の定義にもとづいて出典つきで整理しています。

設置や設定でつまずいた場合は、369rescue・369Themeサポートで診断を受け付けています。