「WordPress でサイトを作れるらしい」と聞いても、何ができて、何を用意すればいいのかは分かりにくいものです。
先に結論を書きます。WordPress 本体は無料です。公開するのに必要なのは、サーバーとドメインの2つで、費用は月1,000円前後から始められます。サーバーごと借りられる WordPress.com なら無料のプランから、公開せずに試すだけなら0円で始められます。
■ この記事で分かること
- WordPress とは何か
- WordPress で作れるサイトの例
- 始めるのに必要なものと、それぞれの役割
- 毎月・毎年かかる費用の目安
- サーバーごと借りられる WordPress.com との違い
- サーバーを借りずに、パソコンの中で試す方法
■ WordPress とは:管理画面からサイトを作れる無料の CMS
WordPress は、Web サイトやブログを作るためのソフトです。こうしたソフトを CMS(コンテンツ管理システム)と呼びます。
CMS を使わずにサイトを作る場合は、ページごとに HTML というコードを書き、サーバーに上げる必要があります。WordPress なら、管理画面に文章を入力して「公開」を押すだけで、ページができあがります。コードを書けなくても、自分でサイトを更新できます。
WordPress はオープンソースで、GPL というライセンスで公開されています。だれでも無料で使えて、ソースコードもすべて公開されています。
■ WordPress で作れるもの
はじめから入っている機能だけで、次のようなサイトが作れます。
| サイトの種類 | どんなもの | 追加で必要なもの |
|---|---|---|
| ブログ | 日記や情報発信。記事が日付順に並ぶ | なし |
| アフィリエイトサイト | 商品やサービスを紹介する記事のサイト | なし |
| コーポレートサイト | 会社やお店の紹介、お知らせ、お問い合わせ | お問い合わせフォームを作るプラグイン |
| ポートフォリオ | 写真・イラスト・制作物などの作品集 | なし |
| ネットショップ(EC サイト) | 商品を並べて、注文と支払いを受け付ける | WooCommerce などのプラグイン |
WordPress には、機能を足すプラグインと、見た目を決めるテーマがあります。どちらも無料のものがたくさん公開されていて、組み合わせることで、作れるものが広がります。
■ 「投稿」と「固定ページ」の違い
WordPress のページには、2つの種類があります。最初にここを分けて考えると、サイトの作り方が見えてきます。
| 投稿 | 固定ページ | |
|---|---|---|
| 向いているもの | ブログ記事、お知らせ、施工事例 | 会社概要、料金表、お問い合わせ |
| 並び方 | 新しいものから日付順に並ぶ | 日付に関係なく、決まった場所に置く |
| 分類 | カテゴリーやタグで分けられる | 親子関係(ページの下にページ)で整理する |
ブログなら「投稿」だけで作れます。会社やお店のサイトは、「固定ページ」で土台を作り、お知らせを「投稿」で足していく形が一般的です。
■ 始めるのに必要なもの
インターネットに公開するには、WordPress 本体のほかに、次のものが必要です。
サーバー:WordPress を置いておく場所
サイトのデータを保管し、見に来た人にページを届けるコンピューターです。個人や小さな会社なら、レンタルサーバーを借りるのが一般的です。
多くのレンタルサーバーには、WordPress を数回のクリックで入れられる機能があります。サーバーを選ぶときは、WordPress の公式が推奨している条件(PHP 8.3 以上、MySQL 8.0 以上または MariaDB 10.11 以上)に対応しているかも確かめておくと安心です。
ドメイン:サイトの住所
example.com のような、URL の部分です。ドメイン会社で取得するほか、レンタルサーバーの契約に無料で付いてくることもあります。
SSL:通信を守る仕組み
サイトと見に来た人のあいだの通信を暗号化する仕組みで、URL が https:// で始まるようになります。WordPress の公式もサーバーの条件として HTTPS への対応を挙げています。いまは多くのレンタルサーバーで無料で使えます。
■ 費用の目安
2026年10月時点の、大手レンタルサーバーとドメイン会社の公式ページをもとにした目安です(税込)。
| 必要なもの | 費用の目安 | メモ |
|---|---|---|
| WordPress 本体 | 0円 | ずっと無料 |
| レンタルサーバー | 月700〜1,000円前後 | WordPress が使える一番安いプランの場合。契約期間が長いほど、月あたりは安くなる |
| ドメイン(.com) | 年1,700円前後 | 初年度0円やサーバー契約の特典で無料になることがある |
| SSL | 0円 | 多くのレンタルサーバーで無料 |
| テーマ・プラグイン | 0円〜 | 無料のものだけでも作れる。有料のものもある |
契約するときは、次の3つに気をつけてください。
- 安い月額は、長期契約の料金であることが多い。サーバーの料金は、1年・3年といった期間の分を、最初にまとめて払う形が一般的です
- キャンペーンの料金は、期間が終わると変わる。申し込む前に、その時点の料金ページを見てください
- ドメインは「2年目から」の料金も見る。初年度が0円や1円でも、2年目以降は更新の料金がかかります
■ サーバーごと借りる方法:WordPress.com
サーバーとドメインを自分で用意するのが不安なら、WordPress.com というサービスもあります。WordPress が入ったサーバーごと借りられるサービスで、アカウントを作ればすぐにサイトを作り始められます。
名前は似ていますが、ここまで紹介してきた「自分でサーバーに入れて使う WordPress」(WordPress.org で配布されているソフト)とは、使い方が違います。
| 自分でサーバーを借りる | WordPress.com | |
|---|---|---|
| 始めるまで | サーバーとドメインを契約し、WordPress を入れる | アカウントを作るだけ |
| 無料で使えるか | WordPress は無料。サーバー代とドメイン代がかかる | 無料プランがある(URLは ○○.wordpress.com、広告が表示される) |
| 有料の場合 | サーバーが月700〜1,000円前後、ドメインが年1,700円前後 | 月 US$4 から(年払い・税別)。年払いなら最初の1年はドメインが無料 |
| プラグイン・テーマ | 自由に入れられる | 有料プランの機能として案内されている |
| サーバーの管理 | 自分で行う(サーバー会社の画面で設定する) | WordPress.com に任せられる |
「まずは無料でブログを書いてみたい」なら WordPress.com の無料プラン、「自分のドメインで、プラグインやテーマを自由に選んで作りたい」なら自分でサーバーを借りる方法、と考えると選びやすくなります。
■ サーバーを借りずに、パソコンの中で試す
いきなり契約しなくても、自分のパソコンの中で WordPress を動かして試せます。これを「ローカル環境」と呼びます。
WordPress を動かすには、本来は PHP やデータベースなどの仕組みを自分で用意する必要があります。次のアプリを使えば、それをまとめて用意してくれます。どちらも無料です。
- WordPress Studio:WordPress.com が提供しているアプリ。Mac・Windows・Linux で使える
- Local:WP Engine が提供しているアプリ
ローカル環境のサイトは、自分のパソコンの中だけで動くもので、ほかの人からは見えません。テーマを試したり、記事の書き方に慣れたりするのに向いています。
■ WordPress を入れたら、最初にやること
ブログを始める場合の、管理画面での最初の流れです。画面の文言は WordPress 7.1 の日本語版のものです。
- 「外観」→「テーマ」で、サイトの見た目を選ぶ
- 「投稿」→「カテゴリー」で、記事を分けるカテゴリーを作る
- 「投稿」→「投稿を追加」で記事を書き、「公開」を押す
- 会社概要などは「固定ページ」→「固定ページを追加」で作る
画像や動画は、記事を書く画面にそのままドラッグして置けます。まとめて上げたいときは「メディア」→「メディアファイルを追加」を使います。
■ まとめ
- WordPress は、管理画面からサイトを作って更新できる、無料の CMS
- ブログ・コーポレートサイト・ポートフォリオは基本の機能で作れる。プラグインを足せばネットショップも作れる
- 公開に必要なのはサーバーとドメイン。SSL は多くのサーバーで無料
- 費用はサーバーが月700〜1,000円前後、ドメインが年1,700円前後から。長期契約・キャンペーン・2年目の料金に注意
- サーバーを借りずに公開したいなら、WordPress.com の無料プランから始められる
- 試すだけなら、WordPress Studio や Local で0円から始められる
WordPress を使い始めたら、更新を止めないことも大切です。理由と確かめ方は、WordPressは脆弱性が多くて危ない?にまとめています。どんな見た目のサイトが作れるかは、ブロックテーマとは?日本語対応のおすすめWordPressテーマ9選で見てみてください。
■ 参考にした資料
- Requirements(WordPress.org)
- WordPress Studio(WordPress.com)
- Local(WP Engine)
- 料金プラン(WordPress.com)
- 料金(エックスサーバー)
- 料金(ConoHa WING)
- 価格一覧(XServerドメイン)
この記事の内容は、2026年10月時点のものです。料金は各社の改定やキャンペーンで変わるため、契約の前に公式ページで確かめてください。