個人で英会話教室を運営している方に向けて、教室のホームページをWordPressで作る方法をまとめました。実際の英会話教室のサイト10件を調べて、何が載せられているかを数えるところから始めます。そのうえで、何を用意すればいいか、どんなテーマを選べばいいかを順番に解説します。
■ 英会話教室のサイト10件を調べました
実際に運営されている個人・小規模の英会話教室のサイト10件について、どんなページを持っているかを数えました。サイトマップからページ一覧を取得しているので、メニューに出ていないページも含まれています。2026年9月時点の調査です。
| 項目 | 10件中 |
|---|---|
| クラス・コース案内 | 10 |
| 料金・月謝 | 9 |
| お問い合わせ | 9 |
| 教室紹介・理念 | 7 |
| 講師紹介 | 6 |
| 体験レッスン | 4 |
| お知らせ・ブログ | 4 |
| 英検(対策・合格実績) | 3 |
| 受講者・保護者の声 | 3 |
| イベント(ハロウィン等) | 3 |
| アクセス | 3 |
| 時間割・スケジュール | 2 |
| よくある質問 | 2 |
| オンライン予約 | 2 |
| ギャラリー・動画 | 1 |
| 入学の流れ | 1 |
| 法人向け研修 | 1 |
対象は相模原・千葉・長野・名古屋・大阪・京都・群馬・静岡・愛知の個人教室10件です。
ひとつ、はっきりした傾向がありました。10件すべてが Wix か Jimdo で作られていました。独自ドメインの個人教室は検索では見つけにくく、上位は大手チェーンが占めています。個人の教室は、まず無料サービスで始めるのが通例のようです。
■ 料金を出しているのは9割
10件中9件が料金を載せています。これは高い数字です。
同じ方法で調べたピアノ教室では、料金を載せていたのは8件中5件(63%)でした。英会話教室のほうが、料金を先に出す文化があるようです。
| 項目 | 英会話(10件) | ピアノ(8件) |
|---|---|---|
| 料金を載せている | 9割 | 63% |
| 講師紹介がある | 6割 | 10割 |
つまり英会話では、料金を書くのは差別化ではなく前提です。書いていないと、それだけで比較の土俵から外れます。
逆に講師紹介は6割しかありません。ピアノ教室が10割なのと対照的です。
これには理由があります。英会話教室は、講師の入れ替わりが起きやすい業種です。外国人講師が中心の教室ではとくにその傾向が強く、1年単位で顔ぶれが変わることもめずらしくありません。
ピアノ教室は先生がそのまま教室の看板なので、講師紹介は最初から最後まで変わりません。英会話教室は事情が違います。講師の顔写真と名前を並べたページを作ると、更新が追いつかなくなります。やめた講師が載ったままのページは、載せていないより印象が悪い。
6割という数字は、書いていないというより「書いても保てない」ことへの現実的な判断だと見たほうが正確です。だからこの項目は、書くか書かないかではなく、何を書くかの問題になります。次の項で整理します。
■ 講師について何を書くか
教室の事情によって、書くべきものが正反対になります。
| 教室の事情 | 書くこと |
|---|---|
| 講師が変わらない (自分ひとり、または固定の少人数) | 個人のプロフィールをしっかり書く。顔写真、指導歴、方針。大手との一番はっきりした違いになるので、ここが最大の差別化になります |
| 講師が入れ替わる (外国人講師が中心など) | 個人名ではなく体制を書く。どういう基準で採用しているか(資格・指導経験・出身)、担任制か持ち回りか、日本人スタッフが同席するか |
入れ替わりがある教室で、個人ページを作り込むのはおすすめしません。更新されないページは、教室が止まっている印象を与えます。写真を載せるなら、個人のプロフィール写真より授業風景のほうが長く使えます。
どちらの場合でも、必ず書いておきたいことが1つあります。「担当の講師は変わりますか」への答えです。変わらないなら強みとして、変わるなら仕組みとして(引き継ぎの方法、日本人スタッフの継続性など)書いておくと、入会後のすれ違いが減ります。
■ 英検は3件だけ。ただし、やる教室は徹底的
英検・TOEICなど試験への対応を載せていたのは、10件中3件でした。少なく見えますが、載せている教室の徹底ぶりが際立ちます。
- 長野のある教室は、英検関連だけで4ページ持っています(年度別の合格者ページを毎年積み上げている形です)
- 群馬のある教室は、ナビゲーションに「英検合格実績」を独立した項目として置いています
ここから分かるのは、英検は「ついでに書く項目」ではないということです。やるなら実績を積み上げて見せる、やらないなら方針として書く。中途半端に触れるのが一番よくありません。
「話せるようになってほしい」家庭と「英検を取らせたい」家庭では、求めるものが違います。どちらの教室なのかを書いておかないと、入会後にすれ違います。
■ なぜ個人の英会話教室にホームページが必要なのか
英会話は、大手スクールが広告を出している分野です。「英会話」だけで検索すれば、上位は全国チェーンで埋まります。個人の教室が同じ土俵で戦う必要はありませんが、比較はされます。
保護者や受講希望者は、実際には次のような動き方をしています。
- 「〇〇市 英会話 子ども」のように、地域を付けて検索する
- 知人に勧められた教室の名前で検索し、実在と場所を確認する
- 大手と個人の教室を並べて、講師・人数・月謝を比べる
- 無料体験を申し込みたいが、申込方法が分からず諦める
このとき、個人の教室には大手にない強みがあります。講師が途中で変わらないこと、クラスが小さいこと、事情に合わせて融通が利くことです。ところが、それをホームページに書いていない教室がとても多い。書いていなければ、比較の材料は月謝だけになり、価格勝負に持ち込まれてしまいます。
とくに「講師が変わらない」は、書けば効くのに書かれていないことが多い項目です。大手では担当が変わるのが普通なので、変わらないことは明確な違いになります。前述のとおり講師が入れ替わる教室もあるので、当てはまる教室だけの話にはなりますが、当てはまるなら書かない手はありません。
■ 英会話教室のホームページに載せる項目
英会話教室は「続けられそうか」「自分(子ども)のレベルに合っているか」で判断されます。次の7つは載せておきたいところです。
- 講師について(調査6/10):前述のとおり、教室の事情によって書くことが変わります。共通して書いておきたいのは、ネイティブ講師か日本人講師か、そして日本語で説明できるかどうか。初心者や小さい子どもの場合、日本語で補足してもらえるほうが安心という家庭は多く、「ネイティブかどうか」だけが基準ではありません
- クラスの形態と人数(調査10/10):グループかマンツーマンか、1クラス何人までか。「少人数制」とだけ書かず、最大4名まで、のように実数で書きます。1回何分・月何回かもあわせて明記します
- 対象とレベル分け:幼児・小学生・中高生・大人・ビジネスのどこに対応するか。そして、初めての人が途中から入れるのかどうか。英会話は継続型の教室なので、「今から入って大丈夫か」が分からないと問い合わせに進めません。調査した教室には、学年別にページを分けているところもありました
- 月謝と教材費(調査9/10):入会金、月謝に加えて、教材費は年間でいくらかを書きます。英会話は教材の費用がまとまってかかることがあり、あとから知らされると不信感につながります。年度更新料がある場合もここに書きます
- 英検・TOEICなど試験への対応(調査3/10):前述のとおり。対応するのか、しないのか、方針をはっきり書きます
- オンライン対応の有無:休んだ回をオンラインで振り替えられるか、そもそもオンライン受講ができるか。体調不良や転居の可能性を考える人にとって、判断材料になります
- 体験レッスンの申し込み(調査4/10):電話番号だけにしないことです。平日の日中に電話できない人は多く、フォームを1つ置くだけで問い合わせは増えます。入力項目は名前・連絡先・年齢(学年)・英語の経験の有無・希望日程くらいまでに絞ります
なお、検索から来る人は「〇〇市 英会話 小学生 月謝」のように具体的に調べるため、トップページではなく月謝やクラス紹介のページに直接たどり着きます。どのページから入っても、そこから他の情報に移動できるようにしておきましょう。
■ WordPressで作るメリット
英会話教室のホームページ制作には、次のような選択肢があります。
- 制作会社に外注する(初期費用が高め、更新のたびに依頼が必要)
- 無料ホームページ作成サービスを使う(独自ドメインが使えない・広告が表示されるなど制約が多い)
- WordPressで自分で作る(初期費用を抑えつつ、クラスの空きや月謝の変更を自分で反映できる)
調査した10件はすべて無料サービスでした。始めるには手軽ですが、独自ドメインが使えない、広告が出る、サービス終了のリスクがあるといった制約がついて回ります。地域名で検索してもらうことを考えると、独自ドメインを持つ意味は小さくありません。
そして英会話教室のホームページは、作って終わりになりません。レベル別のクラスは、開講・休講や空き状況が学期ごとに変わります。ハロウィンやクリスマスのイベント、生徒の英検合格といったお知らせも足していくことになります。更新のたびに制作会社へ依頼していると、費用も手間もかかって、結局そのまま古くなってしまいます。
WordPressの「ブロックテーマ」を使えば、コードの知識がなくても、文章を書く感覚でページを組み立てられます。
■ テーマの選び方
- 日本語表示が前提になっているか:英語の教室だからといって海外製テーマを選ぶと、日本語の行間・禁則処理が合わず読みにくくなります。読むのは日本語話者の保護者です
- 上に挙げた項目が、あらかじめ用意されているか:クラス一覧や月謝表をゼロから組み立てるのは手間がかかります。教室向けに作られたテーマなら、枠が最初から入っています
- ブロックテーマ(サイトエディター対応)かどうか:コードを書かずに、自分でレイアウトを調整できるか
■ おすすめテーマ「Abira Academy」
Abira Academyは、個人塾・スクール向けに設計された日本語対応のWordPressブロックテーマです。買い切り、サイト数無制限で導入でき、月額費用はかかりません。
今回の調査結果と、テーマが用意しているものを突き合わせました。
| 英会話教室の項目 | Abira Academy |
|---|---|
| クラス・コース 10/10 | コース紹介セクション+コース専用ページ |
| 料金 9/10 | 料金専用ページ |
| お問い合わせ 9/10 | 問い合わせ専用ページ |
| 教室紹介・理念 7/10 | ヒーローセクション |
| 講師紹介 6/10 | 講師紹介セクション |
| 体験レッスン 4/10 | 体験申込セクション(tel:リンク設定済み) |
| お知らせ 4/10 | お知らせセクション |
| 英検 3/10 | 合格実績セクションがそのまま使えます |
| 受講者の声 3/10 | 生徒・保護者の声セクション |
| アクセス 3/10 | アクセスセクション+教室一覧ページ |
| 時間割 2/10 | 時間割セクション(空き状況つき) |
| よくある質問 2/10 | よくある質問セクション |
| 入学の流れ 1/10 | 入会までの流れセクション |
調べた項目のほぼすべてに、対応するセクションがありました。学習塾向けに作ったテーマですが、英会話教室は学習塾と構造がよく似ています。
とくに英検の合格実績は、塾向けの「合格実績」セクションがそのまま使えます。年度ごとに積み上げていく形も同じです。
用意が無いのは、件数の少ない3つだけです。
- ギャラリー・動画(1/10)
- オンライン予約(2/10)— 外部の予約サービスへのボタンを置けば代替できます
- 法人向け研修(1/10)
そのほかの特徴です。
- コース・料金・アクセス・教室一覧の4ページは、ページのスラッグを
courses/tuition/contact/classroomsにするだけでレイアウトが適用されます - 時間割の空き状況は記号と言葉で表示。色だけに頼らないので、どのクラスに空きがあるか一目で分かります
- よくある質問はWordPress標準のブロックで作られているため、キーボード操作や読み上げへの対応がブラウザ側の機能で担保されます
- ヘッダーに文字サイズ(3段階)と高コントラストの切り替えを標準搭載。設定は次回訪問時も保持されます
- カスタム投稿タイプを使っていないので、将来テーマを変えても入力した内容が消えません
- WordPress 6.5以降 / PHP 7.4以降に対応、購入後1年間のメールサポート付き
■ 導入の流れ
- 商品ページから購入(買い切り、クレジットカード決済)
- 配布されるzipファイルをWordPress管理画面の「外観 → テーマ → 新規追加 → テーマのアップロード」からインストール・有効化
- 教室名・講師紹介・クラス内容などをサイトエディターで入力(初期設定の目安は10分程度)
- スラッグが
contactの固定ページを作る(体験申込ボタンの飛び先がここに固定されているため) - 電話番号を
tel:リンクに差し替える - スマートフォンで表示を確認して公開
■ よくある失敗
| よくある状態 | 何が起きるか |
|---|---|
| やめた講師が載ったまま | 更新が止まっている教室だと思われる。個人ページは保てる範囲で作る |
| 担当が変わるかどうか書いていない | 大手との違いが伝わらず、月謝だけで比べられる |
| 「少人数制」としか書いていない | 何人までか分からず、判断できない |
| 教材費を書いていない | 入会後に知らされ、不信感につながる |
| 英検への方針が書いていない | 求めるものが違う家庭が入会し、あとですれ違う |
| 電話番号が文字のまま | スマホでタップしても発信できない |
contact ページを作っていない | 体験申込ボタンの飛び先がなく、押しても表示されない |
| お知らせが何年も止まっている | まだ続いている教室なのかを疑われる |
■ まとめ
- 個人の英会話教室10件を調べたところ、クラス案内が10/10、料金が9/10。料金を書くのは差別化ではなく前提
- 一方講師紹介は6/10。英会話は講師の入れ替わりが起きやすいため、書くか書かないかより何を書くか。講師が変わらないなら個人プロフィール、変わるなら採用基準と体制
- どちらの場合も「担当は変わりますか」への答えは書いておく
- 英検は3/10だが、やる教室は年度別ページを積み上げるほど徹底的。方針をはっきり書く
- 10件すべてが Wix か Jimdo。独自ドメインと更新のしやすさを取るならWordPress
- Abira Academy は調べた項目のほぼすべてに対応。英検の実績も塾向けの合格実績セクションがそのまま使える
ほかの教室については、個人塾のホームページをWordPressで作る方法とピアノ教室のホームページをWordPressで作る方法でも、同じように実際のサイトを調べたうえで解説しています。
テーマがブロックテーマかどうかの見分け方は、そのWordPressテーマ、本当にブロックテーマ?で、公式の定義にもとづいて出典つきで整理しています。