アクセサリーや刺繍などの作品を作って売っている作家さんに向けて、ホームページに何を載せればよいか、どう作ればよいかをまとめました。先に結論を書きます。
ハンドメイド作家のホームページの役目は、「この作品はどこで買えますか」に1か所で答えることです。minne・BASE・委託先のお店・イベントと分かれている買える場所を、作品の写真と一緒にまとめて見せます。
この結論は、実在するハンドメイド作家17人のサイトを1件ずつ確認して出したものです。制作会社のブログ記事ではなく、作家さん本人のサイトを見ています。
■ この記事で分かること
- 作家のホームページは「作って売る」か「注文を受けて作る」かで中身が変わること
- ハンドメイド作家のホームページに載せるべきもの
- リンク集・ホームページ作成サービス・WordPressの違いと、作家向けのテーマ
■ 作家の多くは、販売サイトで売っている
17人を調べると、売り方は次のようになっていました(1人で複数に当てはまります)。
| 売り方 | 人数 |
|---|---|
| minne・BASE・Creema などの販売サイト | 17人中13人 |
| 問い合わせ・メール・DMでオーダーを受ける | 17人中11人 |
| イベント・催事・展示に出ている | 17人中10人 |
| 委託店・取扱店に置いている | 17人中4人 |
多くの作家さんは、作品の販売は販売サイトに任せ、オーダーだけを問い合わせで受けていました。そして、販売サイトが2か所以上に分かれている作家さんも少なくありません。商品の種類によって、BASE と minne を使い分けている人もいました。
見に来た人からすると、「この作品はどこで買えるのか」が分かりにくくなります。ホームページがまず答えるべきなのは、ここです。
■ 「作って売る」か「注文を受けて作る」かで、中身が変わる
17人のサイトは、売り方によって大きく2つに分かれていました。
| 作って売る | 注文を受けて作る | |
|---|---|---|
| 多かった人 | 大半の作家さん | フルオーダー・セミオーダーの作家さんと工房 |
| 主役 | 新しい作品の一覧 | これまでの作品(見本として) |
| 買い方 | 販売サイトへのリンク、イベント | 相談・問い合わせ、工房での打ち合わせ |
| あったページ | 買える場所、出店予定 | 制作の流れ、リメイク・お直し |
販売サイトを使わず、問い合わせだけで受けていたのは3人で、どれもフルオーダー・セミオーダーの作家さんや工房でした。自分がどちらの型に近いかを先に決めておくと、載せるものを迷わずに済みます。
■ ハンドメイド作家のホームページに載せるべきもの
- 買える場所を1か所にまとめる:販売サイト・委託先のお店・イベントを、1つのページ(またはトップページの1つの区画)に並べます。販売サイトが2か所以上ある作家さんほど、ここが効きます。
- 作品の写真と説明:リンク集のページをホームページ代わりにしていた6人は、どれも販売サイトへのリンクが並ぶだけで、作品の写真も説明もありませんでした。素材・大きさ・作る過程が読めるのは、自分のホームページならではです。
- 作品ごとの「買う」「相談する」ボタン:作品のページから、その作品の販売ページへ直接行けるようにします。1点もので売り切れた作品は「相談する」ボタンにして、似た作品のオーダーにつなげることもできます。
- 出店予定は、日付を大きく:イベントの予定を載せていたのは17人中8人。そのうち1人は、2020年の予定が残ったままでした。古い予定が残っていると、活動していない作家さんに見えてしまいます。終わった予定がひと目で分かる形にしておきます。
- オーダーの受付状況と流れ:注文を受けて作る作家さんなら、「受付中」「一時停止」と、注文から届くまでの流れを書いておくと、問い合わせる前の不安が減ります。オーダーを「一時停止」と書いていた作家さんもいました。
- Instagram へのリンク:17人中15人が Instagram を載せていました。新作の告知はInstagram、作品の情報と買える場所はホームページ、と役割を分けている形です。
■ 無くても成り立つもの
- サイトの中のショッピングカート:決済や在庫の管理は、使い慣れた販売サイトに任せている作家さんが大半でした。ホームページは「作品を見せて、販売サイトへ案内する」役に絞れば、カートが無くても成り立ちます。
- 価格表:調べた17人のホームページには、価格の一覧は見当たりませんでした。価格は販売サイトの側に載っています。載せたい場合は、作品ごとに書く形で十分です。
なお、今回の調査では、サイトの中にカートを持っている作家さん(9人)は対象から外しています。カートを持つこと自体が悪いという意味ではありません。
■ どうやって作るか
17人のホームページの形は、次のとおりでした。
- 自分のホームページ:9人(WordPress・STUDIO・Jimdo・Wix など)
- リンク集のページ(lit.link):6人
- ブログ:2人
| 方法 | 向いている人 | 気になる点 |
|---|---|---|
| リンク集のページ | 今すぐ、手間をかけずに販売先をまとめたい | 調べた6人は、作品の写真や説明を載せていなかった |
| ホームページ作成サービス | 操作の手軽さを優先したい | 使えるデザインや機能はサービスしだい |
| WordPressで自分で作る | 作品を自分で増やしていきたい | 最初の設定に少し時間がかかる |
作家さんのサイトで増え続けるのは作品です。新作ができるたびに、写真と説明を足していけるかどうかが、長く続くかどうかの分かれ目になります。WordPressなら、作品を1点ずつ投稿として足していくだけで、作品の一覧が自動で増えていきます。
■ 作家向けテーマ「Genva Craft」
ここまでの調査をもとに作ったのが、369ThemeのGenva Craftです。ひとりで制作するアクセサリー・ハンドメイド作家向けのWordPressブロックテーマです。
- 写真が主役:トップページは横いっぱいの作品写真から始まります。文字と飾りは控えめにしています
- 買える場所を1か所に:「お求めいただける場所」の区画に、オンライン・取扱店・オーダーを3列で並べます
- 作品ごとに2つのボタン:「minne で購入する」と「この作品について問い合わせる」のように、販売サイトへのボタンと問い合わせのボタンを置けます。片方だけにもできます
- 出店予定:日付を大きく見せます。終わった予定は、日付を灰色にして取り消し線を付けられます
- トップページは2種類:「作品を販売するサイト」と「作品を受注するサイト」の雛形から選べます
- 作品は投稿で増やす:新規投稿で「作品」のパターンを選ぶと、写真4枚・素材やサイズの表・説明・ボタンの入った雛形が入ります。価格の欄は、空にすると行ごと表示されません
- SNSと販売サイトのリンクは1か所で:「外観 > 店舗情報」に Instagram・X・Facebook・LINE・minne・BASE・Creema のアドレスを入れると、フッターにまとめて並びます
- 配色は標準・Noir・Bordeaux の3種類から選べ、ダークモードの切り替えにも対応しています
■ 導入の流れ
- 商品ページから購入する(買い切り)
- WordPressの「外観 > テーマ > 新規追加 > テーマのアップロード」からインストールして有効化する
- 「外観 > 店舗情報」に Instagram や販売サイトのアドレスを入れる
- 固定ページを作り、トップページの雛形(販売する/受注する)を選んで、写真と文章を差し替える
- 作品を投稿で1点ずつ書く
写真はテーマに含まれていないので、ご自身の作品の写真を用意してください。詳しい手順は、テーマに同梱の説明書に書いてあります。
■ ホームページ制作を頼まれた方へ
知り合いの作家さんからホームページ制作を頼まれた制作者の方にも、Genva Craft は使えます。調査で分かった「買える場所をまとめる」「出店予定を日付で見せる」といった要素が最初から入っているので、構成を考える時間を省いて、写真と文章の準備に集中できます。
■ まとめ
- ハンドメイド作家の多くは販売サイトで売っていて、販売先が分かれがち
- ホームページの役目は「どこで買えるか」に1か所で答えること
- 「作って売る」か「注文を受けて作る」かで、載せるものが変わる
- 作品の写真と説明は、リンク集には無い、自分のホームページの強み
- 出店予定は日付を大きく。古い予定を残さない
- 増え続けるのは作品なので、自分で足していける仕組みで作る
■ 次に読む
調査について:実在するハンドメイド作家(個人〜2人)のサイト17人分を、2026年9月に1件ずつ確認しました(369Theme調べ)。主にトップページとメニューから記録したもので、下層のページまでは数えていないものがあります。割合は17人の中での目安で、作家全体の割合ではありません。