写真を仕事にしたい、作品を見てもらいたい。そう思ってポートフォリオサイトを作ろうとすると、最初に手が止まるのは「何を載せればいいのか」です。とくに、まだ展示や受賞の経験が少ないと、経歴の欄を前にして書くことが無いように感じてしまいます。

この記事では、これから活動を広げていく写真家のために、ポートフォリオサイトに載せるものと、実績が少なくても書ける経歴の作り方を整理します。後半では、実在の写真家のサイトの構成と、WordPressのテーマ「Blanky Studio」で作る手順も紹介します。

■ 先に決めること:誰に見てほしいか

載せるものを決める前に、サイトを見てほしい相手を1つ決めておきます。相手によって、トップに置くものが変わるからです。

  • 撮影を依頼してほしい(ポートレート・取材・商品など)… 仕事の作品と、問い合わせの入口を目立たせる
  • 作品を見てほしい(展示・写真集・コンテスト)… シリーズ単位の作品と、経歴・お知らせを目立たせる

両方ある人がほとんどだと思います。その場合も、問い合わせの入口を「撮影の依頼」と「作品・展示の相談」の2つに分けておくと、相手が迷わずに連絡できます。

■ ポートフォリオサイトに載せるもの

写真家のサイトによく並んでいるのは、次の7つです。全部が最初からそろっていなくてもかまいません。

  1. 名前と、いちばん見せたい1枚|開いた瞬間に「誰の、どんな写真か」が分かるように
  2. 作品|1枚ずつ並べるより、シリーズ(テーマのある作品のまとまり)単位で見せる
  3. ステートメントとプロフィール|何を、なぜ撮っているかを短い言葉で。拠点と、撮っているもの(ポートレート・街・風景など)も
  4. お知らせ|展示・掲載・受賞・撮影会など、活動していることが伝わる日付つきの記録
  5. 経歴|展示・受賞・出版・掲載の記録(次の章で詳しく)
  6. 問い合わせの入口|メールアドレスか、フォーム。依頼の種類で分けると親切
  7. SNS|Instagram などへのリンク。逆に、SNS のプロフィールにはサイトのアドレスを

作品は「仕事」と「個人の作品」を分けて見せる

依頼を受けて撮った写真と、自分のテーマで撮り続けている写真は、見る人にとって意味が違います。混ぜて並べるより、分けて見せたほうが、どちらも伝わりやすくなります。

個人の作品は、シリーズごとにまとめます。1つのシリーズに、題と短い説明を付けておくと、写真の並びに筋が通ります。シリーズがまだ1つでも、育てていく途中であることが伝わります。

■ 実績が少なくても書ける経歴

経歴は、有名な賞や個展が無いと書けないものではありません。小さな活動でも、日付と場所があれば立派な記録です。経歴を次の4つの区分に分けると、書けるものが見つかりやすくなります。

区分書けるものの例
展示グループ展、二人展、カフェやギャラリーの小さな展示、学校の卒業展
受賞・入選公募やフォトコンテストの入選・佳作、写真投稿サイトでの選出
出版自主制作の ZINE や写真集(部数も書く)、合同誌への参加
掲載ウェブマガジン、地域の情報誌、企業や店舗のサイト、表紙や広告への写真の使用

書くときのコツは次のとおりです。

  • 年・名前・場所の3つをそろえる|「2026 グループ展『〇〇』 〇〇ギャラリー(東京)」のように。形がそろうと、件数が少なくても整って見えます
  • 新しい順に並べる|いちばん最近の活動が上に来るようにします
  • まだ無い区分は、出さない|空の見出しを置くより、書ける区分だけで並べたほうがすっきりします
  • 盛らない|入選を受賞と書く、参加しただけの展示を個展と書く、といったことはしない。小さくても本当の記録のほうが、仕事の相手に信頼されます
  • 増えたら足す|経歴は育てるものです。お知らせに書いた出来事を、終わったら経歴に移す、と決めておくと続けやすくなります

経歴がまだ1〜2行なら、プロフィールの文章の中に書いてもかまいません。区分を分けた経歴の欄は、行が増えてから作っても遅くありません。

■ 実在の写真家サイトに見る構成

活動している写真家のサイトを見ると、上で挙げた要素がそれぞれの形で並んでいます。メニューの構成を見るだけでも参考になります。

  • ヨシダナギ|ABOUT・WORK・NEWS・BIOGRAPHY・ONLINE SHOP・CONTACT。作品・お知らせ・経歴・ストア・問い合わせが、メニューにそのまま並んでいます
  • 米田樹央|Works・Personal・Photolog・About・Contact。仕事の作品(Works)と個人の作品(Personal)をメニューの段階で分けています
  • 片野智浩|ABOUT・PHOTO・EXHIBITION・INFO・STORE・MODELS WANTED・GET IN TOUCH。トップに写真集のストア・展示の告知・モデル募集の案内が並び、その下にお知らせが続きます

共通しているのは、作品のほかに「いま何をしているか」(お知らせ・展示・ストア)と「これまで何をしてきたか」(経歴)が、どこかに必ずあることです。作品だけのサイトより、活動している人のサイトに見えます。

■ WordPressで作る理由

ポートフォリオを作れるサービスはたくさんあります。WordPressで作る良さは、次のような点です。

  • お知らせを書き足していける|投稿として書けば、日付つきで自動的に並びます
  • 自分のドメインで、記録が積み上がる|サービスを乗り換えても、サイトと経歴は手元に残ります
  • 見た目と構成を、あとから変えられる|ブロックテーマなら、サイトエディターでセクションを入れ替えられます

一方で、何も無い状態から構成を考えるのは大変です。最初から写真家向けの構成になっているテーマを選ぶと、文章と写真を差し替えるところから始められます。

■ Blanky Studio で作る場合

Blanky Studio は、これから活動を広げていく写真家のための、モノクロのブロックテーマです。この記事で挙げた要素が、トップページに最初から並んでいます。

載せるものBlanky Studio のセクション
名前といちばんの1枚ヒーロー(3種から選べる:名前で押す・縦の写真と名前・ランダム配置)
ステートメントとプロフィールAbout(ステートメント・プロフィール・撮っているもの・活動拠点)
作品Works と、シリーズ(写真つきのカード+カテゴリーを足すと自動で増える目次)
お知らせお知らせの帯(展示・ストアの告知)と、お知らせ(日付つきの一覧)
経歴経歴(展示・受賞・出版・掲載の4区分)
問い合わせの入口Contact(「撮影のご依頼」と「作品・展示のご相談」の2つ)
SNSフッターのアイコン(Instagram・X・Threads)

お知らせは、作品と同じ「投稿」として書きます。違うのは1か所だけで、投稿の編集画面の右側にある「フォーマット」(「カテゴリー」のすぐ上)をクリックして、「標準」ではなく「ステータス」を選びます。フォーマットは、カテゴリーとは別の、WordPress に元からある設定です。ステータスを選んだ投稿は、トップのお知らせ欄にだけ出て、作品の一覧には出ません。何も変えなければ「標準」のままなので、ふだんの作品の投稿はそのまま作品として並びます。

作品一覧のページは、いちばん新しい作品を大きく出してから一覧が続きます。

導入の流れ

  1. Blanky Studio を購入して、WordPress にアップロード・有効化する
  2. 「設定」→「表示設定」で、ホームページに固定ページ、投稿ページに作品一覧用の固定ページを選ぶ(この設定をしないと、写真家向けのトップが表示されません)
  3. 「外観」→「エディター」でトップページを開き、ヒーローを選んで、名前・写真・About を自分のものに差し替える
  4. 経歴を自分の記録に書き換える(見本の経歴は架空のものなので、必ず差し替えてください)
  5. 作品を投稿し、シリーズごとにカテゴリーを付ける(お知らせを書くときだけ、フォーマットを「ステータス」にする)
  6. Contact のボタンのメールアドレスと、フッターの SNS のリンクを自分のものにする

詳しい手順は Blanky Studio のドキュメント にまとめています。料金表や撮影の流れのページなど、写真館・出張撮影向けの構成が必要な場合は、カスタマイズのご依頼も受け付けています。

■ まとめ

ポートフォリオサイトは、作品を並べる場所であると同時に、「この人はいま活動している」と伝える場所です。名前と1枚、シリーズ単位の作品、ステートメント、お知らせ、経歴、問い合わせの入口。経歴は小さな記録から書き始めて、増えるたびに足していけば十分です。

写真家向けの構成から始めたい場合は、Blanky Studio の紹介ページで、3種類のヒーローとトップページ全体の見え方を確かめてみてください。

写真家以外の業種向けのテーマもお探しの場合は、ブロックテーマとは?日本語対応のおすすめWordPressテーマ9選もあわせてご覧ください。