WordPress をインストールして初期設定が終わったら、次に気になるのが「見た目」です。WordPress では、サイトの見た目をテーマで決めます。
この記事では、テーマとは何か、入れ替えると何が起きるのか、どこで手に入れて、どう選び、どう入れ替えるのかを順に説明します。「テーマを変えたら、書いた記事が消えるのでは?」と心配な人も、先に答えを言っておくと、記事は消えません。
画面の文言は、WordPress 7.1 の日本語版のものです。
■ テーマって何?
テーマは、サイトの見た目やレイアウトを決めるデザイン一式です。服の着せ替えに近いと考えてください。中の人(記事)はそのままで、着ている服(見た目)だけを取り替えられます。
テーマを替えると、たとえば次のようなものが変わります。
- 色や文字の形
- ヘッダー(いちばん上の部分)とフッター(いちばん下の部分)の作り
- トップページや記事ページの並べ方
WordPress では、記事とテーマが別々の場所にしまわれています。記事はデータベース(サイトの情報をしまっておく場所)に、テーマはサーバーの中のファイルとして入っています。だから、テーマを替えても記事はそのまま残ります。
■ テーマを入れ替えても、記事は消えない
ただし、何もかもそのまま、というわけではありません。WordPress 本体のしくみを確かめると、次のように分かれます。
そのまま残るもの
| もの | 説明 |
|---|---|
| 投稿・固定ページ | 書いた記事とページ |
| 画像などのメディア | アップロードしたファイル |
| カテゴリー・タグ | 記事の分類 |
| 「設定」の中身 | サイトのタイトル、パーマリンクなど |
| メニューの中身 | メニューに並べた項目 |
置き直しが要るかもしれないもの
| もの | どうなるか | 直し方 |
|---|---|---|
| メニューの表示場所 | WordPress が、新しいテーマの中から名前の似た場所(「メイン」「ヘッダー」「フッター」など)を探して、自動で割り当てます。合う場所が見つからなければ、どこにも表示されなくなります。メニューそのものは消えません | クラシックテーマなら「外観」→「メニュー」で表示場所を選び直す。ブロックテーマなら「外観」→「エディター」でナビゲーションを確かめる |
| ウィジェット | 合う場所が見つからないものは、「使用停止中のウィジェット」に移ることがあります。消えはしませんが、表示されなくなります | 「外観」→「ウィジェット」で、使用停止中のウィジェットから置き直す。ブロックテーマにはウィジェットが無いので、ブロックで置き直す |
| カスタマイザーで変えた色やヘッダー画像など | テーマごとに保存されています。新しいテーマには引き継がれません | 新しいテーマで設定し直す |
| サイトエディターで変えたテンプレートやスタイル | これもテーマごとに保存されています。新しいテーマには引き継がれません | 新しいテーマで設定し直す |
下の2つは「テーマごとに保存」されているので、前のテーマに戻せば、元の状態が出てきます。新しいテーマに慣れるまでは、前のテーマを消さずに残しておくと安心です。
くわしく:テーマを「削除」すると何が消える?
WordPress では、テーマのファイルと、データベースに保存された設定は、別のものとして扱われます。テーマを削除して消えるのは、基本的にはテーマのファイルです。
| もの | テーマを削除すると |
|---|---|
| テーマのファイル | 消える |
| テーマの設定(カスタマイザーの設定、サイトエディターで変えたテンプレートやスタイル) | ふつうはデータベースに残る |
| 投稿・固定ページ | 消えない |
ただし、テーマによっては、削除するときに設定も消すように作られているものがあります。
■ テーマはどこで手に入れる?
1. 公式のテーマディレクトリ(無料)
WordPress.org のテーマディレクトリです。管理画面の「外観」→「テーマ」→「テーマを追加」から、そのまま探して入れられます。公式の文書によると、ここに載っているテーマは、専門のチームが決まりに沿って審査しています。数は9,000以上です。
2. 作者のサイトで買う(有料)
テーマの作者が、自分のサイトで売っているテーマです。買うと ZIP ファイルがもらえるので、管理画面の「テーマのアップロード」から入れます。369Theme の有料テーマもこの形です。
3. 避けたい入手先
- 出どころの分からないサイトで配布されているテーマ
- 有料のテーマが、作者以外のサイトで無料配布されているもの
テーマは、サイトの中で動くプログラムでもあります。どこから来たか分からないファイルは、安全性や中身を確認するのが難しくなります。手に入れるのは、公式のテーマディレクトリか、作者のサイトからにしましょう。
■ 無料と有料、どちらがいい?
どちらにも、よいところと気をつけるところがあります。
| よいところ | 気をつけるところ | |
|---|---|---|
| 無料 | お金がかからない/公式ディレクトリのものは審査を通っている/管理画面から更新が届く | シンプルな「土台」として作られているものが多く、色・写真・ページの組み立ては自分でやる/質問はサポートフォーラムで、すぐに返事が来るとは限らない |
| 有料 | 業種や目的に合わせた「完成形」になっているものが多い/有効化して、文字と写真を差し替えれば形になる/作者のサポートが付くことが多い | お金がかかる/サポートの期間や更新の条件は、テーマによって違う |
369Theme のテーマで比べると
同じ「Abira」の名前が付いた、無料と有料の2つで比べてみます。
| Abira(無料) | Abira Academy(有料) | |
|---|---|---|
| どんなテーマか | 最小構成で、アクセシビリティに対応したブロックテーマ | 個人の学習塾・スクール向けのブロックテーマ |
| 有効化した直後 | 飾りの少ない、まっさらな土台。色やページの組み立ては自分で行う | 塾のサイトの形ができている。塾名・コース・スケジュール・講師紹介などの文字と、画像を差し替える |
| パターン(よく使う部品) | あり | 塾のサイトでよく使うセクションを用意 |
| デモ | WordPress.org のプレビュー | デモサイトと、塾・英会話・ピアノ・フラダンス教室の活用例 |
| サポート | WordPress.org のサポートフォーラム | 購入後1年間のメールサポート |
| 更新 | 管理画面から届く | 無期限。管理画面から自動更新できる |
| 入手先 | WordPress.org | 369Theme |
Abira Academy には画像は付いていないので、写真は自分で用意します。
どちらを選ぶか
テーマを作っている立場から言うと、こう考えています。
- 自分で組み立てるのが楽しい、時間をかけてもいい → 無料テーマから始めてみる
- 作り込む自信がない、早く公開したい → すぐに使える有料テーマを選ぶ
無料テーマは、カスタマイズして自分のサイトに仕上げることが前提のものが多いです。369Theme の無料テーマも、装飾をはがす手間がないように、あえて何も載せていない「土台」として作っています。有効化しただけでは、思っていた見た目にならないこともあります。そこで手が止まりそうなら、最初から形になっている有料テーマのほうが、結果的に早く公開できます。
有料テーマを選ぶときは、369Theme にかぎらず、買う前に、サポートの期間と、更新がいつまで受けられるかを作者のサイトで確かめてください。
■ 「ブロックテーマ」という言葉
テーマを探していると、「ブロックテーマ」という言葉が出てきます。いまの WordPress の標準になっている作り方で、ヘッダーやフッターまで、記事と同じ「ブロック」で組み立てられるテーマです。
| ブロックテーマ | クラシックテーマ | |
|---|---|---|
| サイト全体の編集 | 「外観」→「エディター」で、ヘッダーやフッターまでブロックで編集する | 「外観」→「カスタマイズ」で、テーマが用意した項目を変える |
| サイドバーなどの部品 | ブロックで置く | ウィジェットで置く |
| メニュー | ナビゲーションブロックで作る | 「外観」→「メニュー」で作る |
どちらが良い悪いではありませんが、これから始めるなら、ブロックテーマを選んでおくと、新しい機能をそのまま使えます。369Theme の有料テーマは、すべてブロックテーマです。公式のテーマディレクトリでも、「ブロックテーマ」で絞り込めます。
■ 選ぶときに見る5つ
公式のテーマディレクトリでは、テーマごとのページに、次の情報が出ています。
| 見るところ | 見ること |
|---|---|
| 最終更新日 | 長く更新されていないものは避ける |
| WordPress バージョン/PHP バージョン | 自分のサイトで動くか。ここに書かれた版以上が必要 |
| 有効インストール数 | 使っている人の多さの目安。ただし、公開されて1年たっていないテーマは、少ないのが当たり前。目に触れる機会の少ないテーマも、数は少なくなる。少ないからといって、悪いテーマとは限らない |
| 翻訳 | 日本語が入っているか。ないと、テーマの中の文言が英語のまま出ることがある |
| プレビュー | 見本のサイトで、見た目を確かめる |
有料テーマなら、作者のサイトでデモ(見本のサイト)と、サポート・更新の条件を見ておきましょう。
■ 入れ替えの手順
開く画面
「外観」→「テーマ」
公式ディレクトリのテーマを入れる
- 「テーマを追加」を押す
- 検索するか、「特徴フィルター」で絞り込む
- 気になるテーマの「プレビュー」で、見本の見た目を確かめる
- 「インストール」を押す
- 入ったら「ライブプレビュー」を押し、自分の記事が入った状態で見た目を確かめる
- よければ「有効化」を押す(ブロックテーマのライブプレビューでは「有効化して保存」)
買ったテーマ(ZIP ファイル)を入れる
- 「テーマを追加」を押す
- 上にある「テーマのアップロード」を押し、ZIP ファイルを選ぶ
- 「今すぐインストール」を押す
- あとは上の5と6と同じ
ライブプレビューで画面が真っ白になったら、有効化しないでください。公式の文書でも、そのまま有効化するとサイトが正しく表示されないおそれがある、としています。テーマの作者に問い合わせましょう。
■ チェックリスト
入れ替える前
- □ いまのサイトのトップページと記事ページを、スクリーンショットで残した
- □ メニューとウィジェットを、どこに何を置いているかメモした
- □ ライブプレビューで、新しいテーマの見た目を確かめた
入れ替えたあと
- □ トップページ・記事ページ・固定ページを開いて、表示を確かめた
- □ スマホでも開いて確かめた
- □ メニューが表示されているか確かめた(出ていなければ、表示場所を選び直す)
- □ 「使用停止中のウィジェット」に移ったものがないか見た
- □ 前のテーマは、慣れるまで消さずに残してある
- □ 予備の標準テーマ(名前が「Twenty」で始まるもの)を1つ残してある
■ よくある質問
テーマを何度も替えても大丈夫?
記事や画像は消えないので、何度替えてもかまいません。ただ、替えるたびにメニューの場所やウィジェットの置き直しが要ることがあります。公開前に、ライブプレビューで見比べてから決めるのがおすすめです。
前のテーマに戻したい
「外観」→「テーマ」で、前のテーマの「有効化」を押せば戻せます。カスタマイザーやサイトエディターで変えた設定はテーマごとに残っているので、前のテーマを消していなければ、元の状態で戻ります。消してしまった場合も、設定はふつうデータベースに残っているので、同じテーマを入れ直して有効化すれば戻ります。
無料テーマで始めて、あとから有料テーマに替えてもいい?
かまいません。記事はそのまま残ります。ただし、色やヘッダーなど、見た目について設定したことは、新しいテーマで設定し直すことになります。
テーマを替えたら、SEO(検索の順位)に影響する?
記事の URL は、テーマではなく「設定」→「パーマリンク」で決まるので、テーマを替えても変わりません。見出しの作りや表示の速さなどはテーマによって違うので、替えたあとは表示を確かめておきましょう。
■ あわせて読みたい
■ この記事で紹介したテーマ
- Abira(無料)
- Abira Academy(有料)
■ 参考にした資料
- Work with themes(WordPress.org)
- Block themes(WordPress.org)
- Getting started(WordPress.org テーマディレクトリ)
- WordPress 本体のソース(GitHub)
この記事の内容は、2026年10月時点のものです。