「WordPress フルサイト編集」で検索すると、2022年にリリースされたWordPress 5.9のBeta版テスト方法を紹介したままの記事が今も上位に出てきます。フルサイト編集はその後も継続的に進化しており、当時の情報のままでは今のWordPressでできることを正しく把握できません。この記事では、公式のリリースノートにもとづいて、フルサイト編集の基本と、最新版(7.0・7.1)で何が変わったのかを整理します。
■ フルサイト編集(FSE)とは
フルサイト編集とは、ナビゲーションメニュー・ヘッダー・投稿一覧・サイトフッターなど、サイトのあらゆるパーツをブロックで編集できるWordPressの仕組みです。WordPress 5.9(2022年1月リリース)で導入されました。
フルサイト編集が使えるようになると、次のような機能が利用できます。
- サイトエディター|サイトのあらゆるパーツの編集や、テンプレート間の移動ができるエディター
- スタイル|色・タイポグラフィ・レイアウトなどをまとめてカスタマイズできる機能
- テンプレート/テンプレートパーツ|固定ページや投稿が使うテンプレート、ヘッダー・フッターなどの部品を編集・管理できる機能
ただし、フルサイト編集を使うには「ブロックテーマ」を使っている必要があります。この条件を満たさないテーマでは、上記の機能は使えません。ブロックテーマかどうかの見分け方はそのWordPressテーマ、本当にブロックテーマ?見分け方と国産テーマ分類一覧で詳しく解説しています。
■ フルサイト編集の使い方
フルサイト編集は、管理画面の「サイトエディター」で行います。ここでは、開き方から保存するまでの流れを、ヘッダーを直す場合を例に紹介します。
● サイトエディターを開く
- ブロックテーマを有効化する(「外観 → テーマ → 新規追加」で「ブロックテーマ」を選ぶと、対応するテーマだけが表示されます)
- 管理画面の「外観 → エディター」を開く
「エディター」の項目は、ブロックテーマを有効化しているときだけ表示されます。見当たらないときは、使っているテーマがブロックテーマではありません。
● サイトエディターでできること
サイトエディターを開くと、左側に次のような項目が並びます。
- スタイル|サイト全体の色・文字・レイアウトをまとめて変える。テーマに用意された配色の組み合わせ(スタイルバリエーション)もここで選ぶ
- ナビゲーション|メニューの中身を確かめたり、簡単に直したりする
- パターン|ヘッダーやフッターなどの部品(テンプレートパーツ)と、同期パターンを管理する
- テンプレート|投稿・固定ページ・検索結果・404 など、ページの種類ごとの骨組みを編集する
● 例:ヘッダーを直して保存する
- 「パターン」から、テンプレートパーツの「ヘッダー」を開き、編集(鉛筆のアイコン)を押す
- 直したいブロックを選び、右側の設定で余白や色を変える
- 右上の「保存」を押す。変更したテンプレートやパーツの一覧が出るので、保存するものを選んで確定する
ヘッダーやフッターの変更は、いま見ているページだけでなく、そのヘッダーを使っているすべてのページに反映されます。記事の本文を直す感覚で触ると、思ったより広い範囲が変わるので注意してください。
● 失敗したときに戻す
- 保存する前なら、上の「元に戻す」で1つずつ戻せます
- スタイルの変更は、「スタイル」の画面の右上にある「︙」(その他のメニュー)から、変更の履歴(リビジョン)を見て戻したり、最初の状態にリセットしたりできます
なお WordPress 7.1 からは、サイトエディターの中でも、管理画面の上のツールバー(管理バー)が表示されたままになりました。編集中でも、ほかの管理画面へすぐに移れます。
■ 7.0から何が大きく変わったか
フルサイト編集はWordPress 5.9で導入されて以降、バージョンを重ねるごとに機能が追加されています。特に直近のWordPress 7.0・7.1では、次のような大きな変更がありました(出典:WordPress公式の発表 WordPress 7.0・WordPress 7.1) 。
● WordPress 7.0(2026年5月)
- スマートフォンなどで開くメニューの画面(メニューオーバーレイ)を、ブロックとパターンで作れるように。列を足したり、文字のスタイルを変えたり、閉じるボタンを置いたりできる
- パターンを1つのブロックとして扱えるように。ネストされたブロックを探さなくても、テキストや画像をその場で差し替えられる
- ビジュアルリビジョン|変更の履歴をスライダーで動かしながら、何が変わったかを画面で見比べられる
- 画面サイズごとに表示するブロックを選べるように(モバイルではこのブロックを非表示、など)
- アイコンブロックの追加
- フォントライブラリが、これまでブロックテーマ限定だったのが全テーマで使えるように
● WordPress 7.1(2026年8月)
- レスポンシブスタイル|グローバルスタイル・個別ブロックの両方で、画面サイズごとの見た目をコード無しでエディター上から設定可能に
- theme.jsonで独自のレスポンシブブレークポイントを定義できるように
- ボタンブロックに、ホバー・フォーカス・アクティブ時のスタイルを、エディターのスタイル設定から付けられるように(テーマ開発者は theme.json でも設定できる)
- 新ブロック|プレイリスト、タブ
- テーマ・プラグイン開発者が独自のアイコンを登録できるように
「フルサイト編集で何ができるか」を調べるときは、こうしたバージョンごとの変更を踏まえて、今のWordPressを前提に確認することが大切です。
■ フルサイト編集に対応した無料ブロックテーマ
フルサイト編集を実際に試すには、対応したブロックテーマを有効化する必要があります。WordPress.org公式ディレクトリで「Block themes」タグが付いている無料テーマの一部を、出典つきで紹介します。「full-site-editing」タグが付いていれば完璧です。
- X-T9(Vektor)|公式サイトが「フルサイト編集機能に対応したWordPressブロックテーマ」と明記
- Hakoniwa(AnimaGate)|WordPress.orgのタグ「Block themes」
- REALIZER(FUJI PRODUCTION)|タグ「Block themes」「Full site editing」
- LIQUID AIR(リキッドデザイン)|タグ「Block themes」
- Abira(369work)|タグ「Block themes」「full-site-editing」「Accessibility Ready」。アクセシビリティ対応のスターターテーマ
- Blanky(369work)|タグ「Block themes」「full-site-editing」。ミニマルなブロックテーマ
- Enyoi(369work)|タグ「Block themes」「full-site-editing」。店舗向けブロックテーマ
- Mobiki(369work)|タグ「Block themes」「full-site-editing」。プロフ向けブロックテーマ
いずれもWordPressの管理画面から無料でダウンロードでき、有効化するだけでフルサイト編集(サイトエディター)を試せます。国産ブロックテーマの全体像はブロックテーマを日本語で使うなら|おすすめWordPressテーマ12種でも紹介しています。
■ まとめ
フルサイト編集は2022年のWordPress 5.9で導入されて以降も進化を続けており、直近のWordPress 7.0・7.1だけでも、ナビゲーションのデザイン機能やレスポンシブスタイル設定など、多くの機能が追加されています。フルサイト編集を使うにはブロックテーマが必要になるため、まずはAbiraやBlankyのような無料のブロックテーマで試してみることをおすすめします。
ブロックテーマとクラシックテーマの見分け方はそのWordPressテーマ、本当にブロックテーマ?見分け方と国産テーマ分類一覧、業種別のテーマ選びはブロックテーマを日本語で使うなら|おすすめWordPressテーマ12種もあわせてご覧ください。
無料テーマで試して、業種に合わせた構成が最初から入ったテーマが欲しくなったら、用途から選べる有料ブロックテーマ一覧もご覧ください。